遺産相続で揉めないための対策は何かあるでしょうか。揉める割合は?相続で揉めたら弁護士に相談?相続で揉めている人、遺産で揉めている人向けに情報をまとめて掲載しています。
相続で揉める割合
親が亡くなり、子どもたちが残された遺産を相続する場合には、争いが生じることがあります。相続で揉める人は多くいます。遺産を独り占めされる、遺産分割協議に応じない、遺産を使い込まれていたなど、争いの原因や内容は様々です。どのくらいの割合で揉めるのかというと、だいたい1000人中8人、9人という割合になっています。この人数は公式に発表されている、統計局の遺産分割事件数と厚生労働省の死亡者数を基に算出した数値になります。遺産分割事件とは、被相続人が亡くなり、遺産の分割について相続人間で話合いがつかない場合に家庭裁判所の遺産分割の調停又は審判の手続を利用し相続人全員による合意を目指す手続です。つまり、裁判所を利用する前に相続人の間で合意ができなかった数で、相続で揉めた数ともいえます。
遺産分割事件数の全国にある家庭裁判所の事件総数の推移
- 令和4年 12981件
- 令和3年 13447件
- 令和2年 11303件
- 令和元年 12785件
令和に入ってから、1万件を超える数値で推移しています。年に1万件以上揉めているということになりますが、遺産に関わる人は1人ではなく複数人が関わります。単純に倍にするだけでも毎年2万人以上が「遺産の揉め事」を経験していることを示す数値となっています。
参照)統計局 遺産相続(分割)事件数
https://www.stat.go.jp/library/faq/faq25/faq25a05.html
対して死亡者数は厚生労働省から発表されている人口動態統計に数値があります。毎年、調査年の翌年6月上旬頃に公表されている月報(概数)の年間合計の死亡者数によると以下のようになっています。
- 令和4年 156 万 8961 人
- 令和3年 143 万 9809 人
- 令和2年 137 万 2648 人
- 令和元年 138 万 1098 人
参照)人口動態統計月報年計(概数)の概況 – 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html
上記の、遺産分割事件数と厚生労働省の死亡者数の数値を単純計算すると、
- 令和4年 0.827%
- 令和3年 0.933%
- 令和2年 0.823%
- 令和元年 0.925%
の割合で、遺産分割事件となっているということになります。毎年数値は違いますが、先に書いたように例年1000人中の8人、9人という割合です。相続は揉める、とよく耳にする人にとっては少ないと感じる割合でしょうか。この位の割合なら自分は揉めないだろうと楽観視する方もいるかもしれませんね。ただ、遺産については、家族の仲が良いから揉めない、大丈夫だというものではありません。仲が良くても揉める兄弟は多く居ます。また、遺産の金額が少ないから揉めないわけでもありません。むしろ金額が少ない方が揉めやすいことがあります。親は大して貯金も財産もなさそうだから、自分に遺産相続は関係なさそうという人ほど危険なのです。
遺産相続で揉めないための準備
遺産、相続は揉めやすい問題になりますが、揉めないためには何ができるでしょうか。揉めないための準備について以下で見ていきましょう。
遺産や相続で揉めないためには、遺書を準備しておくことがおすすめです。遺書には、自分で用意する自筆証書遺言もありますが、揉めない為に準備するのであれば、公正証書遺言の用意が適しています。公正証書遺言は公正証書という形で残される遺言書で、原本が必ず公証役場に保管されるので紛失の心配がありません。公証人が作成するため、方式の不備で無効になることはまずありませんし、また、家庭裁判所での検認手続を経る必要が無く速やかに遺言の内容を進めることができます。自分に不利益な内容が書かれているからと、公正証書遺言を無効にできないかと考える意図も居るようですが、公正証書遺言が無効になるのは
- 遺言能力がない
- 証人が不適格
- 口授を欠いていた
- 詐欺、強迫、錯誤があった
- 公序良俗違反
という限られた場合です。多くの相続争いは、公正証書遺言があることで予防することができますので、有効な公正証書遺言を作成しておくと、相続で揉めるという事を防止することができます。有効な遺言が作成されていない場合や、遺言書が見つからない場合は法定相続人同士で遺産を分け合いますが、揉める事が珍しくありません。遺言があっても遺言の有効性や遺留分の侵害、不明金があるなどで揉めることがあります。事前に弁護士などに相談し、相続人や財産を調査し、遺留分を侵害しない有効な遺言の作成がおすすめです。
遺産相続で揉めたら弁護士に相談
遺産について完璧な準備がされており、相続で揉めない事が理想的ですが、先ほどの数値の通り一定数は家庭裁判所での調停又は審判となるまでになっています。そこまで至らなくても、納得できないと話し合いがもたれる事は多くあります。もともと仲が悪かった家族はもちろん、仲が良い家族や兄弟でもお金のこととなる別問題で、揉めることは良くあります。介護をしていた自分の方が多く貰うべきだ、疎遠なのに相続だけ主張してくるなど、遺産の割合の主張に感情が入ってくると問題が出やすくなり揉めやすくなります。また、不動産が遺産にある場合は分け方(分割方法)について揉める事があります。不動産はお金のようにはっきり何分の何とできない所があります。相続に関して、意見が合わない場合は、遺産分割調停・審判で決定します。
仲違いする前に相談を
仲が良かった兄弟や家族であっても遺産問題で仲が悪くなることがあります。大げんかになる前に早めに相談していれば縁を切るなんてことにならなかった、ケンカが悪化することが無かったというご相談も残念ながらあります。後悔しても一度悪くなってしまった仲は戻らない事が多いです。一番良いのは生前に遺産分割し遺書を用意することですが、ただ、遺産の話をするのはデリケートな部分もあり、準備ができていない家族も多く、遺書を用意しないで亡くなる人も多くいます。なかなか話ができず死後揉めてしまうのです。遺産で揉めた問題があるという場合、自分達の話し合いで解決しようというのはなかなか難しい所があります。当事者同士の話は感情的になり話し合いが上手くいかないことがあります。仲の良かったご兄弟ならなおさらです。遺産の分割については法律の知識が必要です。知識が不足している事で話し合いにすらならない場合もあります。代理人を立て、第三者が入ることで冷静に話し合いが進めやすくなります。遺産で揉めたくない、揉めてしまっている、揉めそうだという場合など、弁護士には遺産に関する色々な場面で相談が可能です。
川口市で遺産分割に強い弁護士に相談
弁護士は、相続・遺言に関する全ての法律業務を行うことができます。揉める前にご相談いただければ、揉めないよう遺言書を用意し、遺言執行者を指定するなど将来的なトラブルを防止するお手伝いができますし、揉めてしまった場合も相続人の間に入り、交渉を進めてさせていただきます。遺産や相続に関する様々なトラブルのご相談を経験しているからこそ、トラブルを未然に防ぐお手伝いができます。遺産分割の手続きをするためには、相続に関する法的知識が必要です。そのため、法律の専門家である弁護士のアドバイスやサポートが必要となる場合が多くあります。埼玉県川口市にあるゆい法律事務所では、遺産分割など相続のお悩みのお手伝いを多くさせて頂いています。相続が生じたら、まずは、弁護士に相談ください。遺言書の作成、遺産分割の交渉や調停、成年後見の申立てなど、遺産相続全般のご相談に応じさせていただきます。
実際に事務所へ足を運んで手続きなどをする場合がありますので、自宅からあまりにも離れた場所だと大変になるでしょう。車を運転しない場合は、公共の交通機関で足を運びやすい場所がおすすめです。ゆい法律事務所は、埼玉県川口市、JR川口駅から徒歩約3分の立地にあります。川口駅は、さいたま市、戸田市などからもアクセスのよい場所です。遺産分割のご相談はこれまでも多く受け付けており、相談実績が豊富にありますので安心してご相談いただけます。お力になれる所があると思いますので 、電話048-299-8800かメール相談へお気軽にお問い合わせください。メールは24時間送付可能です。