相続に関していつから考えるべきなのでしょうか。生前から考えるのか、死亡後いつから考えるか、準備はいつからするべきかなど相続について考えるタイミングについてまとめて掲載しています。
※2024年7月時点での記事内容となります。最新の法律やルールの変更がある場合、記事には内容が反映されていない場合もありますが、ご相談の際は最新の法律に基づき対応させていただきますのでご安心ください。
生前から考える
相続は死後の話ですので、なかなか生前から話し合うというのが難しい事柄でもあります。ですが、圧倒的にスムーズに進むのは生前から相続の事を考え、話し合い、準備を進めて要る場合です。相続には「生前贈与」という将来的に相続財産になるであろう財産を、生前に贈与することで相続税を節税する方法があります。贈与されてから3年以内に贈与者が亡くなってしまった場合、その贈与は無かったものとされ、贈与された財産は相続財産とみなされてしまう点に注意が必要です。生前贈与など、相続対策として相続税を軽減する方法を行うためには、生前から相続について考え準備を進めていくことがおすすめのタイミングです。
生前から遺言の準備を進めることも重要です。遺言書がなければ、原則として法定相続分で分けることになります。法定相続分とは、相続人が2人以上いる場合の各人の相続割合のことで民法により定められています。法律で決められているため、誰がどの位介護をしたというような事情は考慮されず、被相続人との続柄や、相続人の人数によって決まります。
遺言書があれば、基本的にはその内容に従った配分が行われることになります。長く介護をした兄弟に多く財産を残すといった、意志を反映させる相続をすることができるようになります(ただし、遺留分を侵害する遺言の場合には、遺留分侵害額請求という相続人間の争いを生む可能性があります)。遺言書を有効な形で作成するために、専門家に依頼して作成しておいた方が安心です。
生前から相続について相談することは、難しい事情があるかもしれませんが、時期を選べるのであれば準備をスムーズに進めやすいおすすめとなるタイミングです。
死亡後に考える
生前に相続について話し合いがされていない、という場合は死後に相続についての話し合いをすることとなります。
相続が開始する日
相続開始日は被相続人の死亡日です。死後すぐですと、気持ちの整理がつかず話し合いどころではないかもしれませんが、相続は死亡日から開始していることになります。特に申請するから開始するというわけではなく、死亡すると自動的に相続が開始しています。相続に関する手続きのうち、相続放棄、相続税申告など期限がありますので、いつまでに行うべきなのか、死亡日から計算して手続きを進めていくことになります。
いつから話し合いを開始するか
死亡後いつから話し合いを始めるべきだ、という明確な定めはありません。四十九日など被相続人が集まりやすい日にちに話し合いをするという流れもあるようです。話し合いのタイミングはいつからでもよいのですが、相続に関する手続きや申請のうち期限があるものがありますので期限内に手続きを進められるように話し合いをもつことが必要になります。
・単純承認、限定承認、相続放棄
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月の熟慮期間内に、単純承認、限定承認又は相続放棄をしなければなりません。
・相続税の申告
被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内に相続税の申告をしなければなりません。
・相続登記
令和6年(2024年)4月1日から相続登記の申請が義務化されました。取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務となり、義務に違反した場合は10万円以下の過料(行政上のペナルティ)の適用対象となります。
参照)相続登記の義務化 しないとどうなる?
遺言書がある場合
遺言書がある場合は、遺言書に沿った相続を進めていくことになります。遺言書の種類によって開封の方法が異なり、自筆証書遺言の開封は、家庭裁判所での検認手続によって行われるものとされています。公正証書遺言では、公証人が関与して作成されていますので、家庭裁判所での手続きは必要ありません。
遺言書がない場合
遺言書がない場合は、法定相続人が被相続人の遺産を相続することになります。まず相続人を特定することからはじまります。民法907条1項により、遺産分割協議は相続人全員の合意によりされないといけない旨、定められているためです。相続人が特定された場合、次に相続財産の特定をします。預金や不動産のほか、車や宝飾品なども相続財産になります。通帳がない銀行、登記がされていない不動産など、相続財産の特定にはどこに何がどの位あるか特定が難しい財産もあります。
遺言がない場合は揉め事が起こりやすくなります。遺言による相続人の明確な意思表示がない為、誰がいくら貰うのか、隠れた財産があるのかなど揉めやすくなります。話し合いをしてもお互い譲らず、話し合いが進まない、譲り合わない、仲が悪くなり会話ができないなどの問題も生じます。残念ながら仲が良かった家族も相続を機に仲が悪くなってしまうという事も多くあります。その様な場合は、弁護士に相談することがおすすめです。第三者が間に入ることで、冷静に話し合いをしやすくなるというメリットもあります。
相続の紛争解決は弁護士のみしか行えません。弁護士法72条に相続紛争や遺産分割問題に関する交渉、調停、裁判は弁護士でなければ取り扱ってはならないと決められています。弁護士は法律のプロです。相続に関するあらゆる法律問題を取り扱うことができます。相続に関する揉め事が起こったら迷わず弁護士に相談しましょう。
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